さて、元帥流刺し餌作成術ということで・・・
みなさん、エサにこだわってますか?
作成術は日々進化しているのですが、2013年、8月の段階を公開します。



実験に付き合わされる元帥の金魚(^_^)
金魚は雑食で、藻類、虫エサ・・なんでも食べます。
食性はグレといっしょです。
元帥はグレを飼って実験できないので金魚で代用です(^_^;)
配合が違えば、明らかに食いも違います(^_^)
大変役に立ってくれてます。






いざ・・・生オキアミとボイルオキアミを2種類作ります。



その1


まず、生オキアミ3kg、ボイル1.5kgを買ってきて解凍します。
刺し餌にするので高いやつを買ってきてくださいね。


その2


おおきなバケツに溶けた生オキアミをぶちこみます。
オキアミの汁がたくさん出ていますが、1滴も捨ててはいけません。
汁とともにバケツに入れてください。
バケツは大きなものを使ってください。
小さなバケツですと底のオキアミが潰れます。


その3


以下の配合でオキアミに振りかけます。

オキアミ3kgに対して

砂糖          500g
グルタミン酸      200g
グリシン        200g
イノシン酸        50g
色素(赤102)      2包


上の成分を混ぜる理由


砂糖・・キッチンにあるはずです
オキアミの水分を取って身を引き締めるために使用します。
また、砂糖を混ぜると食いがよくなります。
元帥は色んな糖を混ぜて実験を繰り返しました。
麦芽糖、トレハロース、マルチトール、塩・・以前はトレハロースを使用していました。
しかし、金魚での実験で一番よく食ったのが砂糖でした。
自然界に普通に存在する糖で、どんな生き物も美味しいと感じるみたいです。
そういえば砂糖以外にはアリがこないなあ・・


グルタミン酸・・業務スーパーで安く買ってください
海藻類に多く含まれるアミノ酸です。
昆布だしのうまみのもとです。
藻類を食べる魚に効果があります。


グリシン・・インターネットで買ってください
エビ、カニ、貝、ゴカイなどに多く含まれるアミノ酸です。
チヌはグリシンによく反応するそうです。


イノシン酸・・一般では買えないみたいですので、かつおだしで代用してください
鰹節のうまみ成分で核酸と呼ばれます。
細胞の核の中に多く含まれる成分です。
金魚の実験では混ぜても混ぜなくてもいっしょでした。
混ぜなくても大丈夫ですが、グリシンとの相乗効果で肉食性の魚が食いつきそうです。
混ぜたほうがいい気がするので混ぜてます。


色素(赤102)・・スーパーで売ってます
魚が赤色によく反応するのは血の色だからでしょうか?
オキアミを着色するようになってよく釣れるようになりました。
ただ、真っ赤に染めるとダメみたいです。





その4

まんべんなくかき混ぜます。
ここで注意点ですが、優しく上下を入れ替える感じで混ぜてください。
手荒く混ぜると身を締めたとしても、クタクタのオキアミになります。

30分後、オキアミから汁が出てきてオキアミの身が締まっています。
色もいい感じに染まっています。
砂糖等が溶けずに下にたまっていなければOKです。
振りかけた砂糖、アミノ酸が完全に溶けるまで優しく混ぜてください。


その5

大きなざるの下に大きなバケツを置いて液きりをします。
5分くらい液を切ればOKです。
液は捨ててはいけません。
次の刺し餌、ボイルオキアミで使用します。

   
 作成前の生オキアミ  出来上がった生オキアミ



その6

パックに移して完成です(*^^)v
身はぷりぷりで針に刺しやすく、魚の食いもバッチリ!!
オキアミの水分率が極端に下がっていますので酵素反応が起こらず、黒変等よくある変質もしません。
ただ、比重が通常のオキアミより高くなっているので、気になる方は少し乾燥させてやってください。
オキアミの殻と身の間に空間ができで空気が入りますので沈降速度はゆっくりになります。
乾燥させ過ぎると浮きますので頃合いを見極めてください。


元帥は刺し餌はこのままで、撒き餌のオキアミに砂糖を混ぜて撒き餌も高比重にします。
これで刺し餌の沈降速度と撒き餌の沈降速度を近づけることができます。


以上の製法で刺し餌が大量にできます(*^^)v


次はボイルオキアミです(^_^)


その7

生オキアミを液きりしてたまった液に解凍したボイルオキアミをブチ込みます。
そしてまんべんなくかき混ぜ、3時間放置します。


金魚の実験ですが、アミエビの汁、オキアミの汁、ボイルオキアミの汁、アミノ酸液で実験しました。
よく集魚剤にアミノ酸が配合されているので効果の程を見てみたのです。

アミエビの汁・・狂ったように水中をパクパクして汁を飲んでいるかのようです。
オキアミの汁・・アミエビに劣りますが水中をパクパクしています。
ボイルオキアミの汁・・ちょっとパクパクしますがすぐ普通に泳いでいました。
アミノ酸液・・おや?っていう感じで塩水を入れた時と変わらない反応でした。


実験は客観性を意識して、エサを与えない金魚に1日1種類の液を10ml投入した結果です。


以上の結果を踏まえて、生オキアミの成分をボイルオキアミに浸透させればエサ取りに強く、食いのいいボイルオキアミができるのでは・・と考えたのです。

アミエビの汁に漬ければ一番いいと思ったのですが、酵素反応でボイルオキアミが軟らかくなってしまいましたので却下しました。
また、一連の作業にアミエビを追加するのは無理があるからです。


その8

3時間後のボイルオキアミです。
ボイルオキアミと生オキアミの液とが濃度平衡をおこして浮いたボイルは沈んでいます。
生オキアミの美味しさを手に入れた高比重のボイルの完成です(*^^)v


その9

生オキアミと同様に液切りします。
ほんのり色が染まってとても美味しそうです。
実際、普通のボイルより食いが格段にいい気がします(*^_^*)


その10

同じく、パックに入れて完成です(*^^)v


その11
冷凍庫
業務用冷凍庫に入れてすべて完了です。


1回の作成で大量にできます。
この冷凍庫・・3万円です。
エサや釣った魚など・・大変重宝しますのでおススメです(*^_^*)


以上で紹介は終わりです。


この刺し餌の目的は、魚が食べに来たけどUターン・・ってよくあることですよね・・
Uターンせず、思わず食べてしまう刺し餌を作りたいのです。


元帥の専攻は化学分析、生物工学ですのでこんなのが大好きです。
新しい製法をひらめいたらまた紹介しますね(*^_^*)